2023年10月に国内で発売されたGalaxy Tab S9 FE。
その1ヶ月前に発売したGalaxy Tab S9の廉価版に当たります。
私はGalaxy Tab S9を所有していましたが、ゲームや重たい作業はあまりしないため、性能を有効活用できていないと感じていました。
そこでGalaxy Tab S9 FEに買い替え、その使い心地を試してみることに。その結果、ブログ執筆や動画鑑賞においてGalaxy Tab S9 FEで満足できることが分かりました。
廉価版ながらもDeXやSペンの動作はスムーズで、専用キーボードも利用可能なので文章作成も快適です。そんなGalaxy Tab S9 FEの魅力を詳しくレビューします。
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Galaxy Tab S9 FEの特徴
Galaxy Tab S9 FEはハイエンドモデルであるGalaxy Tab S9から性能を落としたモデルになります。プロセッサ性能が大きく落ちてしまったのは、AnTuTuのスコアを見て分かる通り。
それでも、Sペンを使った手書き作業やDeXモードでマルチウィンドウ環境を作れるところは健在です。IP68の防水性能も変わらないですし、バッテリー持ちも同じくらいです。
5年のセキュリティアップデートと4世代のOSアップデート期間があるので、長く使いやすい安心感があります。
その他には、屋外でも画面を見やすいように表示できるビジョンブースターや、目に優しいブルーライトカット機能があります。
エンタメ用途で使うのはもちろん、クリエイティブ用途でも使える万能タブレットです。
Galaxy Tab S9 FEのスペック
Galaxy Tab S9 FEとGalaxy Tab S9のスペックを比較しました。赤字になっているところはGalaxy Tab S9との違いを表しています。
| 機種名 | Galaxy Tab S9 FE | Galaxy Tab S9 |
| ディスプレイ | 画面サイズ：10.9インチ 解像度：2304 x 1440 ディスプレイ：TFT アスペクト比16:10 | 画面サイズ：11インチ 解像度：2560×1600 ディスプレイ：有機EL AMOLED 2X アスペクト比16:10 |
| リフレッシュレート | 90Hz | 120Hz |
| スピーカー | デュアルスピーカー with AKG Dolby Atomos対応 | クアッドスピーカー with AKG Dolby Atomos対応 |
| プロセッサ | Exynos 1380 | Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy |
| バッテリー | 8000mAh | 8400mAh |
| メモリ | 6GB | 8GB |
| ストレージ | 128GB | 128GB |
| MicroSDカード | 1TBまで対応 | 1TBまで対応 |
| 防水防塵 | IP68 | IP68 |
| 生体認証 | 指紋認証（側面）、顔認証 | 指紋認証（画面内）、顔認証 |
| アウトカメラ | 8MP広角 | 13MP広角 |
| インカメラ | 12MP広角 | 12MP広角、超広角 |
| サイズ | 165.8 x 254.3 x 6.5mm | 165.8 x 254.3 x 5.9mm |
| 重さ | 523g | 498g |
| インターフェース | USB 2.0 | USB Type-C 3.2 Gen 1 |
| Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
| ネットワーク | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E |
| GPS | 対応 | 対応 |
| 価格 | 68,799円 | 124,799円 |
Galaxy Tab S9とS9 FEの比較
実際にGalaxy Tab S9 FEを使ってみて分かった、Galaxy Tab S9との違いは下記になります。
- ディスプレイのコントラストが若干違う
- スピーカーの数が4つから2つに減ったけど大して変化なし
- リフレッシュレートが120Hzから90Hzに下がってSペンの滑らかさが変わった
- プロセッサ性能が下がっている
- 外部モニター出力ができなくなった
- セカンドディスプレイ使用時に30Hzになる
デザインの違いはほとんど感じられず、ディスプレイサイズも誤差の範囲というくらい違いが分かりづらい。
Galaxy Tab S9は有機ELで、Galaxy Tab S9 FEはTFTというディスプレイの違いがあり、具体的にはコントラストの違いが出ています。
TFTだと明るすぎて暗いところの差が出づらいのに対し、有機ELは暗い部分がハッキリしています。
とはいえ、全体で見ればどちらも十分に綺麗ですよ。
スピーカーの音質は、体感だと大きな違いを感じられず、どちらも良い音質です。
ただ、Galaxy Tab S9 FEだと縦で使ったときにスピーカーの位置が偏ってしまうので、サラウンド感を感じづらいところはあります。
リフレッシュレートは120Hzと90Hzの差はほとんどありませんが、Sペンの動作で違いを感じます。
追従性や低遅延に関しては120Hzの方が優秀ではありますが、メモを書くくらいなら90Hzでも問題なし。
プロセッサ性能は明らかに劣っていますが、処理の重たい作業をしないならGalaxy Tab S9 FEで十分です。
Galaxy Tab S9 FEだと側面の電源ボタンで認証できるようになったので、画面内認証よりはやりやすいと感じます。ただ、指が汚れていると認識しづらくなるのは少し気になる。
Galaxy Tab S9 FEをしばらく使った感想
全てにおいてちょうど良い性能
Galaxy Tab S9からGalaxy Tab S9 FEに乗り換えてみましたが、問題なく使えています。例えば、Lightroomでの写真編集やOneNoteでのノート作成など、大抵のアプリはサクサク動きます。
プロセッサ性能はミドルレンジですが、それでもストレスを感じづらく、日常的な使用には十分な性能です。
それに、ゲームをあまりしないため、性能不足に悩むことはほとんどありません。
動画視聴時には綺麗なディスプレイと高品質なスピーカー音質が魅力的です。
高性能である必要がない場面でも、Galaxy Tab S9 FEの性能はちょうど良く、使い勝手が良いと感じます。
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Sペンでメモやノート作成が捗る
手書きタブレットと言えばiPadの印象がありますが、Galaxy Tab S9 FEでも手書き性能は優秀だと感じます。
Galaxy Tab S9 FEに付属するSペンを使用すれば、手書きに対応したアプリで簡単にメモやノートを作成できます。
特に使い勝手が良いのはSamsung Notesという純正アプリで、シンプルなメモを書く際に重宝しています。
さらに、GoodNotes6を使ってノートを作成することも可能で、勉強用のタブレットとしても活躍します。
何よりもSペンの書き心地は素晴らしく、滑らかに書けることが楽しさを加えています。
これが付属品で付いてくるのは魅力的ですね。
コンテンツ消費以外でも活躍できる
Galaxy Tab S9で使える機能はGalaxy Tab S9 FEでもほとんど使えるので、相変わらず使いやすいAndroidタブレットであることは変わりないです。
例えばWindowsのサブディスプレイとして使えたり、DeXモードでPCっぽく使えたり、あると便利な機能が多いです。
他にも、Windowsに対してニアバイシェアという機能を使えばファイルを簡単に送ることもできます。
僕はGalaxyスマホを使っているので、Samsung Flowというアプリを使えばデータ共有やテザリングを簡単にできるのがGalaxyタブレットを使うメリットだと感じています。
CPU性能がもう少しあれば良かった
Galaxy Tab S9 FEのAnTuTuは約58万なので、同価格帯のiPad 第10世代やXiaomi Pad 6と比べると性能が霞んで見えてしまいますね。
もしXiaomi Pad 6とコスパで競うならGalaxy Tab S9 FEの方が不利な気がしました。
ただ、Galaxy Tab S9 FEにはDeXモードがあったり、Windowsとの連携機能があったり、Xiaomi Pad 6以上にソフトウェアが優秀です。
そのため、コンテンツ消費だけじゃなくて幅広く使いたいならGalaxy Tab S9 FEの方が使いやすいです。
外部モニター出力に対応していない
Galaxy Tab S9 FEをモニターに接続してみましたが、画面を出力できませんでした。
おそらく、このタブレットはDisplayPort Alt Modeに非対応なのでしょう。
DisplayPort Alt Modeとは？
→USB-Cコネクターを通じて映像を出力する規格のことで、非対応の場合は外部モニターに映像を表示できません。
そのため、DeXモードを使用してモニターに画面を出力し、作業を行うといったシチュエーションは実現できません。
単体でDeXモードは使えますが、モニターに出力できないのは残念ですね。
ただし、自宅でパソコンを使う方ならそれほど気にならないかもしれません。
環境によってセカンドディスプレイのリフレッシュレートが30Hzになる
Galaxy Tab S9 FEには、ワイヤレスでWindows PCの画面を表示できる機能があります。
例えば、ノートパソコンの画面を増やしたい場合、Galaxy Tab S9 FEがあればセカンドディスプレイとして使うことができるのです。
セカンドディスプレイの手順
前提条件：WindowsとタブレットでそれぞれWi-FiとBluetoothをONにしておく（ONにするだけでOK）
①ステータスバーを開くと「2番目の画面」というアイコンがあるのでタップする。
②画像のような画面になったら放置しておく
Windows側でキャスト画面を開き、タブレットの名前が表示されたらクリックする。
Win＋K キーを入力するか、設定画面から「ディスプレイ→マルチディスプレイ→ワイヤレスディスプレイに接続する」の順でクリックすると画像のように表示されます。
あとは複製するか拡張するか、セカンドスクリーンだけの表示を選べます。
デバイスの入力をONにすればWindowsでもSペンの手書き入力ができるので、ペンタブのように使うことも可能です。
ただ、僕が普段使っているデスクトップPCだとリフレッシュレートが30Hzまでとなっているので、かなりカクカクした動きになってしまいます。
ですが、しばらくした後にDell Inspiron 14を購入したので、そっちでセカンドディスプレイを使用したら60Hzで設定できました。
原因はハッキリとしませんが、メインで使っているPCのCPUがIntel製でした。
対して、Inspiron 14のCPUはAMD製だったので、CPUの種類によってリフレッシュレートが変わるのかもしれません。
Galaxy Tab S9 FEがおすすめな人
- タブレットにハイスペックな性能を求めていない
- Sペンを使って手書き入力したい
- 幅広い用途で使えるAndroidタブレットが欲しい
- GalaxyのスマホやWindowsと連携して使いたい
- Galaxyタブレットの機能を試してみたい
- 防水性能があるタブレットを使いたい
ほとんど不満は無いタブレットだが万人向けじゃない
Galaxy Tab S9 FEは私にとって非常に使いやすいタブレットと感じていますが、求めるものによっては合わない方もいるでしょう。
例えば、ゲームを快適に楽しみたいならXiaomi Pad 6、動画を楽しみたいだけならGalaxy Tab A9+という選択肢が妥当に感じます。
Xiaomi Pad 6は価格が安くて性能が高いため、コスパにおいてGalaxy Tab S9 FEを上回っています。
Galaxy Tab A9+は性能が低いものの、Galaxy Tab S9 FEと違ってクアッドスピーカーなので動画と音楽を再生するタブレットとして優れています。
つまり、タブレットを作業用として使わないならGalaxy Tab S9 FEだとコスパの悪さを感じてしまいます。
とはいえ、Sペンが使えたりDEXモードやWindowsとの連携ができたり、機能性において優れているのは確かです。
Galaxyの独自機能に魅力を感じる方や、Galaxyタブレットを使ってみたいと感じる方にGalaxy Tab S9 FEをおすすめできます。
ハイエンドモデルであるGalaxy Tab S9の廉価版でありながら、全体的なクオリティはそこまで下がっていないので、ライトユーザーは間違いなく満足できる性能です。
6万円台でSペンや専用キーボードが使えて、DeXモードを使った作業ができるのは非常に魅力的なので、ぜひGalaxy Tab S9 FEを使ってみてほしいです。
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